平成21年 一泊坐禅会感想文         

           島田峯紀


 姪っ子に誘われてはじめて坐禅会に参加しました。

 翌日坐禅会が終了して帰宅したら、愚妻に開口一番「すっきりした顔になったわネ!」と言われてしまいました。参加する前はよほど世俗に汚れたひどい顔をしていたのでしょう。僅か2日間の坐禅経験では、悟りとは程遠い心境で誠におこがましいのですが、何か心が洗われたようなとても清々しい気分になりました。この気持は、ちょっと人に説明できないと言うか、経験してみなければ分らないものでした。

 正直言うと、参加する前は多少面倒で気が進まなかったのです。実は1年前に足を骨折して歩行が些か不自由な上、腰痛もあるので結跏趺坐が辛いのではないかと不安でした。ところがそんな不安は一掃されました。椅子坐禅が許され、足腰の負担は全くありませんでした。しかも就寝部屋は暖房が効いていて、快適そのものでした。

 それから、勘違いしていたことが二つありました。

 一つ目は警策(きょうさく)についてであります。警策は坐禅の乱れを正すために師家から一方的に打たれるものと思っていましたが、睡魔におそわれた時など自分から合掌低頭(がっしょうていず)して、警策を受けることができるということでした。二つ目は、只()(かん)打坐(たざ)、坐禅は何かの目的を持って坐るのではなく、ただひたすら坐ればよいという教えでした。私は心身のバランスが崩れていたので、坐禅で正そうという身勝手な目的を持って参加したのでしたが、勘違いでした。

 それから、小栗隆博講師のお話ですが、禅の思想のお話のほか「坐禅会で朝食にお粥を出すのは、たくさんの客をもてなすため。足りなくなったらお湯を足せばいいのです」とユーモアたっぷりで、とっても楽しく充実した一泊二日の坐禅会でした。       合掌